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猫はしつけを覚える?学習の仕組みと訓練の研究

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猫はしつけを覚える?学習の仕組みと訓練の研究

この記事の要点

  • 保護施設の猫100頭を対象にした研究で、4つの行動すべてに訓練後の有意な向上が見られました。
  • 訓練は1回5分・15セッションという短時間の積み重ねで実施されました。
  • 猫が覚えないと感じる原因は知能ではなく、報酬の選び方とセッションの長さにあることが多いです。
  • 罰は猫の恐怖とストレスを高め、学習そのものを妨げるため推奨されません。

「犬はしつけられるが猫は無理」という通念は根強くあります。しかし実験は別のことを示しています。猫は学習します。ただし条件が犬とは違うだけです。

保護施設の猫100頭の訓練研究

Koganほか(2017)は、保護施設の猫100頭を対象に、ターゲットへのタッチ、座る、回る、ハイタッチという4つの行動について訓練前の能力を評価しました。その後、1回5分のクリッカー訓練を15回実施し、再評価しています。

結果は、4つの行動すべてで訓練後の成績が有意に向上しました。対象は家庭で長く飼われた猫ではなく、施設という不慣れな環境の猫たちです。それでも短時間の積み重ねで学習が成立しました。

クリッカーが効く理由

クリッカーは、正解の瞬間を音で正確に知らせる道具です。おやつを渡すまでには数秒かかりますが、その間に猫は別の行動をしてしまいます。クリック音が「今の動きが正解」という目印になることで、行動と報酬の結びつきが明確になります。

これはオペラント条件づけと呼ばれる学習の基本原理で、猫に固有のものではありません。人間の技能習得でも、フィードバックが遅れるほど学習は遅くなります(近転移と遠転移の議論とも通じます)。

覚えないと感じるときの原因

猫が指示に従わないとき、原因の多くは次のどれかです。第一に、報酬が猫にとって魅力的でない。ドライフードより、ペースト状のおやつや茹でたささみのほうが強い動機になることがあります。第二に、セッションが長すぎる。5分を超えると猫は関心を失います。

第三に、環境が落ち着いていない。物音や来客がある場面では学習は進みません。第四に、身体的な問題です。関節の痛みがあれば「座る」を渋ります。猫の学習能力を疑う前に、これら4点を確認する価値があります。

罰は学習を妨げる

霧吹きや大声は、望ましくない行動を一時的に止めることがあります。しかし猫は「その行動がいけない」と学ぶのではなく、「その人がいると怖いことが起きる」と学びます。結果として、人がいないときに同じ行動を続け、人への警戒だけが強まります。

猫と人の関係は、恐怖ではなく予測可能性の上に成り立ちます。人の合図を読む能力については猫は人をどこまで理解している?で、品種差の誤解については頭がいい猫種ランキングは本当?で解説しています。

学習は知能の一部でしかない

訓練で覚える速さは知能の一側面にすぎず、記憶や空間認知とは別の能力です(猫の記憶力はどれくらい?)。人間でも、暗記が速い人と規則を見抜くのが速い人は違うプロフィールを持ちます。

猫の認知研究の全体像は、猫のIQは測れる?猫の知能研究まとめに分野別でまとめています。

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よくある質問

猫にしつけはできますか?

できます。保護施設の猫100頭にクリッカー訓練を行った研究では、ターゲットへのタッチ、座る、回る、ハイタッチの4つすべてで成績が有意に向上しました。

猫の訓練は1回どれくらいが適切ですか?

研究では1回5分のセッションが用いられました。家庭でも数分で切り上げ、猫が集中しているうちに終えるのが効果的です。

猫を叱るのは効果がありますか?

推奨されません。罰は恐怖やストレスを高め、人との関係を悪化させます。望ましい行動が起きた瞬間に報酬を与える方法のほうが確実です。

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編集・免責事項

ねこIQ編集部

本記事はねこIQ編集部が、動物認知・行動・獣医学に関する査読研究を参照して執筆・編集しています。研究で直接測定した結果と解釈を分け、対象数、課題との相性、参加意欲などの限界を可能な範囲で明示します。

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