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猫は人の指さしを読む?社会的参照の研究

猫は人の指さしを読む?社会的参照の研究

この記事の要点

  • 人が指さした容器から餌を見つける課題で、猫と犬の成績に有意な差は報告されていません。
  • 社会的参照の実験では、約8割の猫が未知の物体と飼い主の顔を交互に見る行動を示しました。
  • 飼い主が不安そうに振る舞った条件では、猫が出口へ向かう行動が増えました。
  • 猫は課題が解けなくなったとき、犬ほど人を見上げて助けを求めない傾向があります。

猫は人の合図を読まない、という印象は根強くあります。しかし実験の結果は、その印象と少し違います。猫は人の指さしを利用でき、飼い主の様子から状況を判断することもあります。

指さし課題では犬と差がない

Miklósiほか(2005)は、2つの容器のうち片方に餌を隠し、人が正解の容器を指さす課題で犬と猫を比較しました。猫は指さしを手掛かりに正しい容器を選ぶことができ、犬との間に有意な成績差はありませんでした。

人の指さしを理解することは、当たり前に見えて実は難しい課題です。チンパンジーでも訓練なしでは成績が安定しません。猫が自然にこれを利用できるのは、人と長く同居してきた歴史の反映と考えられています。

社会的参照:飼い主の顔を見て判断する

Merolaほか(2015)は、猫の社会的参照を調べました。社会的参照とは、曖昧な状況に置かれたとき、信頼できる相手の反応を手掛かりに自分の行動を決める仕組みです。人間の乳児で詳しく研究されてきました。

実験では、猫と飼い主のいる部屋にリボンをつけた扇風機という未知の物体を置きます。飼い主にはあらかじめ、その物体に対して肯定的に振る舞う条件と、不安そうに振る舞う条件が指示されました。

結果、約8割の猫が物体と飼い主の顔を交互に見る行動を示しました。これは参照的な視線として扱われる行動です。さらに飼い主が不安そうに振る舞った条件では、猫が部屋の出口へ向かう行動が増えました。猫は飼い主の情動的な手掛かりを読み、自分の行動に反映させていたことになります。

助けを求める行動には差がある

同じMiklósiらの研究では、餌が取り出せない状況を作ったときの反応も比較されました。犬は人の顔を見上げ、人と対象を交互に見る行動を頻繁に示しました。猫はこの行動が少なく、自分で解こうとし続ける傾向がありました。

これは「猫は人を頼らない」というより、問題解決の戦略が違うと理解するのが妥当です。犬は協働して狩りをする祖先を持ち、人と一緒に働く役割で選択されてきました(猫と犬はどっちが賢い?)。

第三者の評価はしないという報告

犬では、飼い主に冷たく振る舞った人からの餌を避ける行動が報告されています。同じ手続きを猫で行った研究では、猫はそうした人を避けませんでした(猫は飼い主に冷たい人を避ける?)。人との関わり方には、犬と共通する部分と共通しない部分が両方あります。

家庭で試すなら

指さし課題は家庭でも再現できます。伏せたカップを2つ置き、片方におやつを入れて、猫が見ている前で正解のカップを指さします。ポイントは、指を近づけすぎないことと、猫が指ではなくカップを見た瞬間に選択させることです(猫のIQテストは家でできる?)。

人間の社会的認知とIQ

人の合図を読む能力は、人間では社会的認知として研究され、伝統的なIQ検査が測る範囲とは区別されます(EQとIQの違い)。ねこIQの無料IQテストが測るのは非言語の推論能力で、20問・約10分の4分野診断です。結果は自己理解のための推定値であり、公式な知能検査の代わりではありません。

よくある質問

猫は人の指さしが分かりますか?

分かります。人が指さした容器から餌を見つける課題で、猫は指さしを手掛かりに正しい容器を選ぶことができ、犬との成績差は報告されていません。

猫は飼い主の反応を見て行動を決めますか?

決めることがあります。未知の物体を前にした場面で、猫の約8割が物体と飼い主の顔を交互に見る行動を示し、飼い主が不安そうな場合は出口へ向かう行動が増えました。

猫が困っても助けを求めないのはなぜですか?

猫は単独で狩りをする祖先から進化しており、人と協力して問題を解く戦略が犬ほど強く選択されなかったと考えられています。能力の差ではなく戦略の差です。

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編集・免責事項

ねこIQ編集部

本記事はねこIQ編集部が、動物認知・行動・獣医学に関する査読研究を参照して執筆・編集しています。研究で直接測定した結果と解釈を分け、対象数、課題との相性、参加意欲などの限界を可能な範囲で明示します。

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