猫の知能テストを家で試す5つの方法と注意点
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この記事の要点
- 家庭でできるのは点数の出る知能テストではなく、研究由来の観察課題です。
- 名前の聞き分け、隠した物の記憶、音からの推測、指さしの理解、スローブリンクの5つが試しやすい課題です。
- 猫が反応しないことは能力の低さを意味せず、参加する動機がないだけの場合が多くあります。
- 空腹すぎる、疲れている、嫌がっているときは中止し、遊びの延長として短時間で終えるのが原則です。
猫の知能を家で測りたい、という声はよく聞きます。まず前提として、猫には人間のIQのような点数の出る検査がありません(猫のIQは人間でいうと何歳?)。ここで紹介するのは、実際の研究で使われた手続きをもとにした観察課題です。点数ではなく、うちの猫が何に反応するかを知るための遊びとして試してください。
1. 名前を聞き分けられるか
Saitoほか(2019)の実験では、まず名前と同じくらいの長さ・アクセントの一般名詞を4つ続けて読み上げ、最後に猫の名前を呼びます。繰り返される語に慣れて反応が薄くなったあと、名前で耳や頭が動けば、名前を他の語から区別している可能性があります。
落ち着いた声で、同じ抑揚を保つのがコツです。名前だけ声を高くすると、猫は名前ではなく声の変化に反応してしまいます。
2. 隠した物を何秒覚えていられるか
Fiset & Doré(2006)の課題を簡略化した方法です。猫の目の前でおやつやおもちゃを箱の後ろに隠し、0秒後、30秒後、60秒後に探させます。研究では正確さが0〜30秒で急速に下がり、60秒後でも偶然を上回りました。
同じ場所ばかりに隠すと猫は場所を学習してしまうので、隠す位置は毎回変えます。詳しい背景は猫の記憶力はどれくらい?で解説しています。
3. 音から中身を推測するか
Takagiほか(2016)の実験では、振ると音がする容器と音がしない容器を使いました。音がしたのに中から何も出てこない、あるいは音がしなかったのに物が出てくるという食い違いの場面で、猫は容器を長く見つめました。
家庭では、小さなボールを入れた容器を軽く振って傾け、猫の視線がどこに向かうかを見ます。大きな音は怖がらせるので、ごく軽く振るだけにしてください。
4. 人の指さしを理解するか
Miklósiほか(2005)は、人が指さした容器から餌を見つける課題で、犬と猫の成績に有意な差がないことを報告しました。同じ形の容器を2つ並べ、片方だけにおやつを入れて指さします。猫が指さした側へ向かえば、社会的な合図を利用できているサインです。
猫がにおいで判断してしまわないよう、両方の容器に同じおやつのにおいをつけておくと精度が上がります。
5. スローブリンクを返すか
Humphreyほか(2020)は、飼い主がゆっくりまばたきをすると猫の半閉じや目の細めが増え、実験者がスローブリンクをした後は猫が近づきやすくなることを報告しました。正面から見つめず、少し離れた位置でゆっくり目を細めて閉じ、そっと開きます。
これは知能というより、コミュニケーションの回路を確かめる課題です。関連する研究は猫は人をどこまで理解している?にまとめました。
結果を読むときの注意点
第一に、反応しないことは能力の欠如を意味しません。猫は実験に参加し続ける動機が弱いことが繰り返し報告されています。第二に、1回の観察で判断しないでください。体調、空腹度、直前の物音で結果は簡単に変わります。第三に、猫が嫌がる素振りを見せたら即座に中止します。
そして、これらの課題は品種の優劣を判定するものでもありません(頭がいい猫種ランキングは本当?)。
猫の認知研究の全体像は、猫のIQは測れる?猫の知能研究まとめに分野別でまとめています。
点数が出るテストを受けたいなら
点数と順位が見たい場合は、人間側で試すのが確実です。ねこIQの無料IQテストは空間推理・パターン認識・論理的推論・分類能力の4分野を20問・約10分で測り、項目反応理論(IRT)で推定IQ・偏差値・全国順位を算出します。猫と一緒に、自分の認知の形を確かめてみてください。結果は自己理解のための推定値であり、公式な知能検査の代わりではありません。
よくある質問
- 猫のIQテストは家でできますか?
点数が出る正式なIQテストは存在しません。研究で使われた手続きをまねた観察課題なら家庭でも試せますが、結果は数値化せず傾向として受け取ってください。
- 猫が反応しないのは頭が悪いからですか?
違います。猫は課題に参加する動機が弱いことが研究でも知られており、無反応は能力ではなく興味や体調、環境の影響を強く受けます。
- テストは1日に何回まで行っていいですか?
1回あたり数分、1日1〜2回程度にとどめてください。猫が耳を伏せる、尻尾を強く振る、その場を離れるなどの様子が出たらすぐに中止します。
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編集・免責事項
本記事はねこIQ編集部が、動物認知・行動・獣医学に関する査読研究を参照して執筆・編集しています。研究で直接測定した結果と解釈を分け、対象数、課題との相性、参加意欲などの限界を可能な範囲で明示します。
本サイトのテストは娯楽・自己理解を目的とした推定値を提供するものであり、医療・臨床目的の検査や公式な心理検査(知能検査)ではありません。
