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猫にも利き手がある?前足の左右差と脳の側性化

猫にも利き手がある?前足の左右差と脳の側性化

この記事の要点

  • 猫には個体ごとの前足の使い分け(利き手)が存在することが実験で示されています。
  • メスは右前足、オスは左前足を好む傾向が有意に報告されました。
  • 生後12週と6か月では左右どちらも使う個体が多く、1歳で偏りがはっきりします。
  • 左右差は脳の半球の役割分担(側性化)を反映すると考えられています。

おやつを取ろうとするとき、あなたの猫はいつも同じ前足を出していませんか。人間の利き手にあたるものが、猫にもあることが分かっています。

課題の難しさで偏りが出る

Wells & Millsopp(2009)は、難易度の異なる複数の課題で家庭猫の前足の使い方を調べました。おもちゃに手を伸ばすような簡単な動作と、容器の中から餌を取り出すような操作を要する課題とで、左右の偏りの出方が異なることが報告されています。

簡単な動作では左右どちらも使う個体が多く、難しい課題ほど一貫した偏りが現れます。これは人間でも同じで、日常の何気ない動作より、精密な操作のほうが利き手がはっきりします。

メスは右、オスは左

Wells & Millsopp(2012)は、前足の偏りの発達を追跡しました。12頭の猫を生後12週、6か月、1歳の時点で餌の取り出し課題によって検査しています。

結果、左右差は性別と強く関連していました。メスは右前足を使う傾向が強く、オスは有意に左前足を採用しやすい。この性差は繰り返し報告されており、性ホルモンが脳の発達に与える影響と関連づけて議論されています。

1歳で偏りが定まる

同じ研究は発達の順序も示しました。生後12週と6か月の時点では、猫は左右どちらも使う(両側性)ことが多く、1歳の時点で左右の偏りを示す個体が有意に増えました。6か月時点と1歳時点の偏りには正の相関があり、早い段階の傾向がその後にも残ることが示されています。

つまり猫の利き手は生まれつき固定されているのではなく、発達の中で徐々に定まっていくものです。

左右差が意味するもの

前足の偏りは、脳の左右の半球が異なる役割を担っていること(側性化)の外側からの指標と考えられています。多くの脊椎動物で側性化が見つかっており、猫だけの特徴ではありません。

注意したいのは、利き手が認知能力の高さを示す指標ではないことです。人間でも、右利きと左利きで知能に体系的な差があるという結論は得られていません。猫の脳の構造については猫の脳はどうなっている?にまとめています。

家庭で調べる方法

細長い容器(トイレットペーパーの芯など)の底におやつを入れ、猫が前足で取り出す様子を記録します。ポイントは3つです。第一に、簡単すぎる課題では偏りが出ないので、前足を入れないと届かない深さにすること。第二に、容器を猫の正面に置き、体の向きで偏りが生じないようにすること。第三に、最低でも50回程度の試行を別々の日に分けて記録すること。

1回や2回の観察では偶然と区別できません。統計的な偏りを見るには回数が必要です(猫のIQテストは家でできる?)。

人間の左右差と認知

人間でも、脳の側性化は言語や空間処理の分担として研究されています(認知能力の種類)。ねこIQの無料IQテストは、図形の回転や規則の発見といった非言語の課題を20問・約10分で出題します。結果は自己理解のための推定値であり、公式な知能検査の代わりではありません。

よくある質問

猫に利き手はありますか?

あります。餌を取り出すような課題では個体ごとに一貫した前足の偏りが見られ、メスは右前足、オスは左前足を好む傾向が報告されています。

猫の利き手はいつ決まりますか?

生後12週と6か月の時点では左右どちらも使う個体が多く、1歳の時点で左右の偏りがはっきりする傾向が報告されています。

利き手を調べると賢さが分かりますか?

分かりません。前足の偏りは脳の側性化を反映する指標であり、認知能力の高さを示すものではありません。

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ねこIQ編集部

本記事はねこIQ編集部が、動物認知・行動・獣医学に関する査読研究を参照して執筆・編集しています。研究で直接測定した結果と解釈を分け、対象数、課題との相性、参加意欲などの限界を可能な範囲で明示します。

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