猫は夢を見る?REM睡眠と睡眠不足の研究

この記事の要点
- 猫には覚醒、ノンREM睡眠、REM睡眠があり、脳波と筋活動で区別できます。
- 成猫8頭を14時間眠らせない実験では、その後にノンREM・REM睡眠と徐波活動が増えました。
- REM睡眠が存在しても、猫が何を夢見ているか、夢を自覚しているかは直接確認できません。
- 睡眠時間の個体差は大きく、急な増減や起こしにくさは体調変化として評価する必要があります。
眠る猫のひげが動き、前足が小さく走るように震えると、夢の中で狩りをしているように見えます。猫に睡眠段階があることは測定できますが、夢の内容は別の問いです。
猫にもREM睡眠とノンREM睡眠がある
猫の睡眠は、脳波、眼球運動、筋緊張から覚醒・ノンREM睡眠・REM睡眠に分けられます。REM睡眠では眼球運動が現れ、全身の筋緊張は低下します。ノンREM睡眠では徐波と呼ばれるゆっくりした脳波が増えます。
Tobler & Scherschlicht(1990)90086-T)は、成猫8頭の脳波と運動をほぼ一日連続して記録しました。14時間、遊びによって睡眠を妨げた後には、ノンREM睡眠とREM睡眠が少し増え、ノンREM中の徐波活動が最初に高くなってから低下しました。
これは、眠れなかった分に応じて睡眠圧が高まる恒常性が猫にもあることを示します。単に暇だから眠るのではなく、猫の脳も失われた睡眠へ生理的に反応します。
REM睡眠があれば夢を見ているのか
人間ではREM睡眠から起こしたときに夢の報告が多いため、REMと夢には強い関連があります。しかし猫は起床後の体験を言葉で報告できません。REM睡眠の存在は、夢の内容や自覚を直接証明しません。
睡眠中の足、耳、ひげの動きも同じです。筋活動、外部刺激への反応、睡眠段階の移行で生じる可能性があり、『獲物を追う夢』のような具体的な内容までは読み取れません。
睡眠不足は猫の脳へどう現れるか
睡眠を妨げた後に徐波活動が高まったことは、睡眠の深さが過去の覚醒時間に調整された結果です。人を含むほかの哺乳類にも見られる基本的な睡眠調節と似ています。
ただし、この研究は8頭を管理環境で測定した実験です。家庭猫の睡眠時間、年齢差、睡眠不足が記憶や問題解決へ与える影響を直接測ったものではありません。
睡眠を意図的に妨げて知能への影響を試すべきではありません。休息場所は猫が自分で選び、誰にも邪魔されず離れられるようにします。
長く寝る猫は異常なのか
猫は短い休息を一日に何度も取り、深い睡眠と周囲へ反応できる浅い休息を切り替えます。年齢、活動量、気温、同居動物、屋内外の環境で総時間は変わるため、一律の時間だけでは判断できません。
見るべきなのはその猫自身の変化です。急に寝床から出ない、起こしにくい、遊ばない、食べない、痛がるといった変化が重なる場合は体調を確認します。高齢猫の変化は猫の認知機能と加齢も参照してください。
夜間に大声で鳴く、昼夜が逆転するように見える場合も、睡眠習慣だけでなく痛み、感覚低下、認知機能の変化が関係することがあります。獣医師へ相談してください。
睡眠と知能を混同しない
十分な睡眠は脳の正常な働きに必要ですが、よく寝る猫ほどIQが高い、REMが多いほど賢いという研究結果はありません。睡眠段階と認知課題は別に測る必要があります。
猫の脳の構造は猫の脳と神経細胞、認知研究全体は猫のIQ研究ガイドで解説しています。
人間の推理プロフィールを測るねこIQの無料IQテストは20問・約10分です。睡眠や健康を診断する検査ではなく、推定値として利用してください。
よくある質問
- 猫は夢を見ますか?
猫にREM睡眠があることは確認されていますが、夢の主観的内容を尋ねられないため『何を夢見ているか』は科学的に確認できません。
- 寝ながら足を動かすのは夢を見ているから?
REM睡眠中の筋活動や睡眠段階の切り替わりで動くことはありますが、その動きだけから夢の内容を判断することはできません。
- 猫が急に長く寝るようになったら?
年齢や気温でも休息時間は変わりますが、急な変化に食欲低下、痛がる様子、反応の低下が伴う場合は獣医師へ相談してください。
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編集・免責事項
本記事はねこIQ編集部が、動物認知・行動・獣医学に関する査読研究を参照して執筆・編集しています。研究で直接測定した結果と解釈を分け、対象数、課題との相性、参加意欲などの限界を可能な範囲で明示します。
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