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猫がボールを取ってくるのは賢い証拠?フェッチ行動の研究

猫がボールを取ってくるのは賢い証拠?フェッチ行動の研究

この記事の要点

  • フェッチをする猫の94%以上で、飼い主による明示的な訓練はありませんでした。
  • 遊びの開始と終了は、飼い主より猫のほうが多く決めていました。
  • 別の大規模調査では、猫の約4割に何らかのフェッチ行動が報告されています。
  • フェッチは狩りの動作系列が社会的な遊びに転用されたものと考えられます。

投げたおもちゃをくわえて戻ってくる。犬の遊びだと思われがちなフェッチを、する猫がいます。これは何なのでしょうか。

924人・1154頭の調査

Formanほか(2023)は、フェッチをする猫の飼い主924人から1154頭分の回答を集めました。最も目を引く数字は、94.4%の飼い主が「教えていない」と答えたことです。フェッチは訓練の産物ではなく、猫が自分で始める行動でした。

始まる時期は1歳未満が最も多く、次いで1〜7歳。そして重要なのは主導権の所在です。遊びを始めるのも終えるのも、飼い主より猫のほうが多いという結果でした。猫は付き合わされているのではなく、自分でやりとりを設計しています。

4割の猫が何らかの形で持ってくる

Delgadoほか(2024)は、猫の飼い主8224人分の調査データを解析し、40.9%の猫に何らかのフェッチ行動が報告されることを示しました。特別に珍しい行動ではないということです。品種では、シャム・バーミーズ・トンキニーズなど東アジア起源の系統で報告率が高い傾向がありましたが、雑種でも広く見られます。

こうした品種差は、活動量や人への関与の強さの違いを反映していると考えられます。フェッチ遺伝子のようなものが見つかっているわけではありません。

狩りの動作系列が遊びになる

猫の狩りは、待ち伏せ・接近・飛びかかり・捕獲・運搬という一連の動作で構成されます。獲物を安全な場所へ運ぶ行動は、野生の猫でも見られます。フェッチはこの運搬が、人のいる場所を「安全な場所」として組み込んだ形と解釈できます。

つまりフェッチする猫は、狩りのプログラムと、人とのやりとりの学習を組み合わせています。行動の複雑さという意味では確かに高度ですが、IQのような一次元の指標に直結する話ではありません(猫の知能はIQで測れる?)。

続けてもらうためのコツ

第一に、猫が持ってきたら必ず投げ返すこと。応じない試行が続くと行動は消えていきます。第二に、猫が離れたら終わりにすること。無理に続けると遊び自体が嫌な文脈になります。

第三に、猫が選んだ物を使うこと。丸めた紙、ヘアゴム、ペットボトルのキャップなど、市販のおもちゃでない物が選ばれることは珍しくありません。誤飲の危険がある物だけは避けてください。第四に、狩りの系列を完成させること。追いかけて終わりではなく、捕まえられる機会を作ります(猫の遊びと狩り行動)。

しつけとの関係

フェッチが自然発生するという事実は、猫の学習の性質を示しています。猫は「やれと言われたこと」より「やって良いことが起きたこと」を繰り返します。訓練の原則も同じで、罰ではなく報酬で形づくるのが基本です(猫はしつけを覚える?)。

猫の行動研究の全体像は猫のIQは測れる?にまとめています。

人間の課題との違い

人間の知能検査は、初めて見る課題の規則を短時間で見つける力を測ります(流動性知能と結晶性知能)。猫のフェッチのような自発的行動とは測っているものが違います。ねこIQの無料IQテストは20問・約10分で非言語の4分野を測定し、推定IQと偏差値を表示します。結果は娯楽と自己理解のための推定値です。

よくある質問

猫がボールを持ってくるのは賢いからですか?

知能の高さの直接的な証拠ではありません。狩りの動作系列に人とのやりとりが結びついた行動で、調査では94%以上が訓練なしに自然発生したと報告されています。

どんな猫がフェッチをしますか?

1歳未満で始まる例が多く、シャム系など一部の品種で報告が多い傾向があります。ただし雑種でも珍しくなく、品種で決まる行動ではありません。

猫にフェッチを教えられますか?

教えるというより、始めたときに応じるのが有効です。調査では遊びの開始も終了も猫が主導しており、猫のタイミングに合わせるほど続きやすくなります。

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編集・免責事項

ねこIQ編集部

本記事はねこIQ編集部が、動物認知・行動・獣医学に関する査読研究を参照して執筆・編集しています。研究で直接測定した結果と解釈を分け、対象数、課題との相性、参加意欲などの限界を可能な範囲で明示します。

本サイトのテストは娯楽・自己理解を目的とした推定値を提供するものであり、医療・臨床目的の検査や公式な心理検査(知能検査)ではありません。