猫は数を数えられる?数量を見分ける実験の結果
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この記事の要点
- 訓練を受けていない猫でも、餌の量が大きく違うときは多いほうを選ぶ傾向が示されています。
- 選択が有意になったのは、2つの量の比が0.5未満(倍以上の差)のときでした。
- 餌を見えないように隠すと猫は多いほうを選べず、主に視覚の手掛かりを使っていたと考えられます。
- 訓練すれば2個と3個の弁別を学習できますが、人間のように数を数えている証拠ではありません。
おやつを少なくすると怒る気がする。猫と暮らしていると、量の違いに気づいているのではと感じる場面があります。数量の認識は動物認知でよく調べられているテーマで、猫についても実験があります。
訓練なしでも「多いほう」を選ぶ
Bánszegiほか(2016)は、訓練を受けていない家庭猫に2種類の量の餌を提示し、どちらを選ぶかを調べました。全体として猫は多いほうを選ぶ傾向を示し、2つの量の比が0.5未満、つまり倍以上の差があるときに選択が有意になりました。
この「比が効く」という性質は、人間を含む多くの動物の数量認識に共通します。1個と5個は簡単に見分けられても、8個と9個は難しい。絶対的な個数ではなく相対的な比率で精度が決まる仕組みは、ウェーバーの法則として知られています。
隠すと選べなくなる
同じ研究の別の実験では、餌の量を猫から見えない状態にして選ばせました。この条件では、猫は多いほうを選ぶ傾向を示しませんでした。研究者は、猫が主に視覚的な手掛かりを使って量を比較していたと解釈しています。
つまり猫は「見えている量の多さ」に反応しているのであって、頭の中で数を保持して比べているとは限りません。この違いは重要で、人間の数概念とは水準が異なることを示しています。人間側の数量処理については数列問題の解き方でも扱っています。
訓練すれば2個と3個を弁別できる
Pisa & Agrillo(2009)は、4頭の飼い猫に餌を報酬として、2個の点と3個の点を見分ける訓練を行いました。猫は、個数だけが異なる2つの集合を区別することを学習できました。
ただし訓練で身につけた弁別は、数を数える能力の証明にはなりません。面積や配置といった連続量の手掛かりを使っている可能性が常に残るため、研究では条件を細かく統制して切り分けます。動物の数量研究がゆっくりしか進まないのは、この切り分けが難しいからです。
「賢いから数えられる」ではない
数量弁別は、知能の高さを示す万能の指標ではありません。魚や鳥にも同様の能力が確認されています。むしろ、餌や群れの大きさを素早く見積もることが生存に有利だったため、多くの系統で独立に進化したと考えられています。
猫についても、「数を数えられる=賢い」という単純な図式ではなく、狩りと採食に必要な範囲の見積もり能力を持っている、と理解するのが妥当です。猫の知能全般については猫の知能はIQで測れる?と猫のIQは人間でいうと何歳?を参照してください。
猫の認知研究の全体像は、猫のIQは測れる?猫の知能研究まとめに分野別でまとめています。
人間の数量感覚も測れる
人間にも、数えずに量をとらえる感覚(数感覚)があります。知能検査で扱う数列や規則性の問題は、この感覚と論理的推論の両方を使います(認知能力の種類)。ねこIQの無料IQテストでは20問・約10分で、空間推理・パターン認識・論理的推論・分類能力の4分野の傾向が分かります。結果は自己理解のための推定値であり、公式な知能検査の代わりではありません。
よくある質問
- 猫は数を数えられますか?
人間のように数詞を使って数える証拠はありません。ただし量の多い少ないを見分ける能力は実験で示されており、差が大きいほど正確になります。
- 猫はいくつまで区別できますか?
訓練した実験では2個と3個の弁別を学習できました。訓練なしの場合は、量の比が0.5未満、つまり倍以上の差があるときに多いほうを選ぶ傾向が有意になりました。
- 猫は餌の量が減ったことに気づきますか?
見えている状態であれば量の違いに反応する可能性があります。ただし隠された量を比較する実験では選択が偶然の水準にとどまり、主に視覚に頼っていると考えられます。
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編集・免責事項
本記事はねこIQ編集部が、動物認知・行動・獣医学に関する査読研究を参照して執筆・編集しています。研究で直接測定した結果と解釈を分け、対象数、課題との相性、参加意欲などの限界を可能な範囲で明示します。
本サイトのテストは娯楽・自己理解を目的とした推定値を提供するものであり、医療・臨床目的の検査や公式な心理検査(知能検査)ではありません。
